夢想2


その馬は見覚えがあった。
あれは小学校のときどっかの学年で担当してっもらった先生だ。
お久しぶりですって言わなかった・・・驚いてもなかったけど。
その馬はとてもトロく、僕の家の近くの富豪が買っていた駄馬に似ていた。
駄馬というのは一般な言い方で、僕はその馬にエサを勝手にやるのがとても好きだった。
給食を入れるときに使っていた大きな鍋にエサをぶち込んでは馬を撫でていた。
馬としばらく会話した。
最近どう?とか聞かれた気がするけど覚えてない。
世間話を覚えているほうが気持ちが悪いってもんだ。
挨拶もてきとーに済ませ、僕は夜を待った。
一瞬だった。
別に夜来いとか思ったわけじゃないけど一瞬だった。
待った感覚は無い。
都合がいいやって納得した・・・ふつうだった。

しばらくは分からなかった。
ただ自分がいるのかいないのかわからないとも思わなかった。
目が機能していなかった。
ぼーっとしてた・・・突っ立ってたわけじゃない。
4次元すべてが止まってたのか動いてたのか・・・そうは感じない。
いつだってこんな感じだ。
一度でいいから自分の思うように動きたい・・・たぶん動いてる。
不安定な僕・・・ああああああ・・・なげいてなんかいない。
本当はこんな時間もありゃしない後付けだ。
ここまでの流れを覚えているはずなんかない。
新鮮な顔してる・・・見れない。
でも不安になる。
黒い霧・・・黒い煙・・・でも見えないし感覚ないし情緒もない
不安定だよ
・・・。
もう分かんない・・・それでいい。

なんてこと思わないし。
いつだって新鮮だ。
感覚は一瞬だ。
気づいたらこうだ。
どうしようもない。


一度、過ぎた話にはそうそう帰ってこれるものでもない。